既約五次方程式が可解である条件
まず、ガロアの考えで、
位数120のガロア群、位数60のガロア群、位数20のガロア群に対応する既約五次方程式が存在していると仮定しよう
ガロアの言う可解である条件
★その1 その方程式に対応するガロア群が素数個ずつ部分群に分裂していくのを繰りかえして、最終的に恒等置換になること
★その2 分裂していく部分群が正規部分群であること
まず位数120のガロア群に対応する既約五次方程式を考えると、
位数120のガロア群は5次の対称群であって、これを分裂して小さくしていく場合、
120=2×2×2×3×5 なので 2 と 3 と 5 で割れることができる
120を2で割ると位数60の交代群になるが、交代群は単純群なので部分群をもたないため分裂ができない
次に3で割ることを考えると、位数40の部分群が存在しないので分裂できない
次に5で割ると位数24の部分群に分裂できる
ここで★条件1をみたしているが、位数24の部分群は正規部分群ではないので★条件2を満たしていないのでダメ
ゆえに位数120のガロア群と対応する五次方程式は可解ではない
位数60のガロア群に対応する既約五次方程式を考えると、
位数60のガロア群は交代群なので部分群に分裂できない 分裂できるとしたら恒等置換になるだけ(60で割れるが素数ではない)
ので★条件1を満たしておらず可解ではない
位数20のガロア群に対応する既約五次方程式を考える
位数20のガロア群はフロベニウス群である。
位数20から位数10の部分群に分裂できる、さらに位数10の部分群から位数5の部分群に分裂できて、最終的に5で割って恒等置換(単位群)になる
20を2で割って、10を2で割って、5を5で割ると1(恒等置換)になる
2、2,5の素数個ずつに分裂している
なので★条件1を満たす
位数10の群 位数5の群 恒等置換(単位群)はすべて正規部分群であるので★条件2を満たす
よって★条件1と★条件2の両方を満たす位数20のガロア群に対応する既約五次方程式は可解である
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