可解な五次方程式 ガロア群と拡大次数
図A
フロベニウス群は位数20なのに、なんで80次拡大が出てくるのか?
ガロア群でパターン分けする際は、1のn乗根が有理数体に入っている状態で分けられる。
なので
ガロア群の拡大次数と 普通に体を拡大するときの次数は異なっていて
上記の図Aの様に
普通に体を拡大することを考える場合
有理数体k→1の5乗根の4次拡大→そのあとフロベニウス群の拡大 20次拡大
になっており よって4×20=80 80次数拡大になっている
ここで位数80のⅭ₄×Ⅽ₄×Ⅽ₅=体K からスタートすると、中間体K(√5△)=位数40の部分群が成り立っている。
ガロア群を考える場合は1の5乗根が含まれる有理数体から拡大が始まるので
有理数体(1の5乗根を含む)→20次数拡大(フロベニウス群の拡大)になる
図B
一方で上記の図Bは
1の5乗根の拡大を後からつけている F20×〈ω〉
〈ω〉
は x⁴+x³+x²+x+1=0のガロア群 (1324)であり
上記の式を因数分解すると4次式(x-ς)(x-ς⁴)(x-ς³)(xーς²)
1→3→2→4 は ς→ς^3→ς^4→ς^2 こんな感じだろうか
この(ς→ς^3→ς^4→ς^2)の置き換えはr₁に作用するので
r₁→r₃→r₄→r₂が成り立っている
1の5乗根による写像は
ここのサイトを見ると写像 ς→ς³ を選ぶの意味がわかる
上図Bは1の5乗根の拡大を後からつけている F20×〈ω〉
拡大をより細かく考えると20次拡大だけじゃなくて、どこかで1の5乗根の拡大(4次拡大)も考えましょうねってはなし
F20(Ⅽ₅×Ⅽ₄)と
〈ω〉は別世界の巡回群であり
〈ω〉=(1324) であるが、
ここで(1324) は1の5乗根ςの置き換えを意味しており(ς→ς³→ς⁴→ς²)である
xの置き換えを意味しているわけではない。ゆえにx₁~x₅を置き換えたりはしない。
図を見るとE=K(X₁~Ⅹ₅)の体を基礎体として〈ω〉の拡大が行われているので
〈ω〉からx₁~x₅は有理数と同じように見えており、〈ω〉の作用で不変
逆にF20から有理数体に1の5乗根を添加した体K(ς)のςは有理数と同じように見えており
ςはF20の作用で不変
xの置き換えをしない別世界の〈ω〉との合成体
(つまりは、合成体の元であるr₁からr₄)を柔軟に考えると後述の通りうまくいく。
最初の図Aに戻って、1の5乗根を先に添加する合成体の拡大の図を見ると
位数80の群の中間体K(√5△)は、r₁r₄を不変にするので
その事実からr₁を決定することができる。r₁が決まればr₁~r₄は導出できる
よって、xを求めることができる。
〈ω〉=(1324) の巡回群が Ⅽ₄×Ⅽ₄×Ⅽ₅ のうちのⅭ₄のひとつで
2次拡大K(√5△)は〈σ、τ²、τω⁻¹〉の群に対応しており
例えばr₁は ω⁻¹(ς³→ς→ς²→ς⁴)の置き換えでr₂に変わり、τ(2354)の置き換えでr₁に戻る
さらにその4次拡大K(△、ς)は〈σ、τ²〉 に対応するので、その過程で
〈ω〉=(1324)が消えて、〈ω〉はςの写像を変えることを気にせず拡大を考えることができる
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