五次方程式の超冪根による解法

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わかりやすいガロア理論


ざっくりな考え


いろいろ本やサイトやdummitの論文などをみて、考えた結果


スタート地点はやはり係数体つまり有理数体


最初に必要な1のn乗根を入れておくだとか本によっては記述しているが、dummitの論文の拡大体には最後のほうに1のn乗根を添加してる。


これはガロア方程式の因数分解だけ考えてた場合すっきりするのだが、
拡大体と正規部分群の関係を図示したい場合前者のような形(最初に1の原始根をすべて入れておく)にしないときれいにならない。
dummitの最後に1の原始根を入れる行為は つまり、ガロアの論文で言う すべての補助方程式の根を添加する→1の原始根もそれに含まれるをやっている。





体と群の対応を見やすくするために、最初に必要な原始根を添加しましょうね、っていう約束事が定式化されたんだと思います。


クンマー理論が1840年


ガロアの論文がリューヴィユに解読されたのが1864年


おそらく、体論にガロアの考えが取り込まれる形で体系化されていった。


Qに(ω)を添加して、拡大してしまう場合は方程式の群が縮小してしまうので、拡大次数が2だとか考える必要がある。
Qに(ω)を添加しても拡大しない場合は方程式の群が縮小しないので、気にしなくてよい。




1のn乗根はマンションを建てるための鉄骨であって、
マンションを建てる材料である。
ガロア理論の目的は 拡大体のマンションを建てることができるか(可解か否か)


マンションを建てたときに、根の有利式がどの階に住んでいるか調べる事。


なので、本やサイトによっては鉄骨を有理数と見做す。あるいは無視してよいとか表現しているけど。


マンションの住人が何階に住んでいるか調べるときに、鉄骨の存在など関係ないというイメージでもいいのでは? と思いました。


そんでもって、既約3次方程式の差積は基本的に平方根になるのです。


ところが、x^3-3x-1 のような方程式の差積は有理数になる。 これは有理数に平方根を添加せずにいきなり3乗根を添加すれば方程式の解があらわせることを意味している。


つまり、根の有理式(ここでは差積)を調べれば解の形がわかるのです。


このように、ガロア理論は理論(ガロア対応表)としてはガバなのですがツールとしては非常に強力なのです。
ガロア群で不変な根の有理式は有理数になるということを明言して、さっさと五次方程式の可解性に踏み込む本が増えてほしい限りです。


ガロアのv=α₊2β₊3γ₊4δ₊5ε とおいて、フロベニウス群で不変な根の有理式Aを考える。


根はvの有理数係数の多項式で表現されるので、Aはvの有理係数多項式


Aは20通りの置換 Ⅴ₁からⅤ₂₀まで不変 よって


A=f(Ⅴ)=20分の1×f(Ⅴ₁)₊f(Ⅴ₂)₊f(Ⅴ₃)₊~f(Ⅴ₂₀)


よってⅤ₁~Ⅴ₂₀の対称式になる ガロア方程式は20次であり、Ⅴ₁~Ⅴ₂₀の対称式は有利係数
なのでAは有理数

三次方程式 単拡大定理 Ⅴで根を表す

3次方程式x^3-3x-1 の解は3つとも実数根であり、


一つの根をaと置くと、ほかの根は a^2-a-2 、-a^2+2と書けるらしい
(そういう関係が根にある)


んでもって、こやつを根の有理式Ⅴで表したい。


まず、一つの根をaと置くと、ほかの根は a^2-a-2 、-a^2+2と書けるから


Ⅴ=a₊2b₊3c  bに a^2-a-2  cに-a^2+2と置くと


Ⅴ=a₊2(a^2-a-)₊3(-a^2₊2)


計算してⅤ=-a^2-a₊2


次に


根がⅤの有理式で表せるならば fⅤ^2₊gⅤ₊h と仮定してよい fghは有理数


なぜならばガロア分解式 Ⅴ^3-9Ⅴ-9が成り立っており、(井汲ブログ参照)


Ⅴ^3=9Ⅴ₊9に変換できるので、Ⅴ^3以上の項は常に低い次数に置き換えられるから



さっそく


a=fⅤ^2₊gⅤ₊hを計算すると


Ⅴ^2=3a₊6になっており、いきなりきれいな形で出てきたので



fに1/3を代入して fⅤ^2=a₊2 よって 


aが1/3Ⅴ^2ー2 であることがわかる Ⅴの有理式で表現できる


ここからaが求まったので、a^2-a-2 と-a^2₊2のⅤの式が求まる


-a^2₊2=1/3Ⅴ^2-Ⅴ-2  さらにa^2-a-2=-1/3Ⅴ^2₊Ⅴ₊4


ちなみに 


Vの根を置き換えて


Ⅴ=b₊2a₊3c と置くと


Ⅴ=-2a^2₊a₊4 よって


またⅤ=fⅤ^2₊gⅤ₊h fgh は有理数のどれか


Ⅴ^2=-3a^2₊12  なのでとりあえず⁻1/3=fに代入して


-3a^2をa^2にする


-1/3×Ⅴ^2= a^2-4となる


Ⅴの式にあるー2a^2と打ち消したいので


-2/3Ⅴ^2=2a^2-8    これを Ⅴと合わせて


-2/3Ⅴ^2₊Ⅴ=a-4   よって 移項すると ⁻2/3Ⅴ^2₊Ⅴ₊4=a


ここではⅤのうちどれを指定しているのか決めていないので、コロコロ値が変わっているはず。 とりあえず計算のアプローチだけ


5次方程式の場合も簡単に求まる方法があればいいのだが、
一応 ここのサイトを見ると、解をⅤの多項式で表す方法のまとめがある。


下のブログの方は出版とかなさらないのですか 井汲氏もそうですが…


可移部分群って何?

例えば 文字 abcde の五つがあって、aをすべての文字に移す置き換えの元を含むものを可移な群という。


つまり a→a  a→b a→c a→d a→e の置き換える元 なんでもいいのでその条件を満たす元を含むものを可移な群という。


これを考えるのはざっくりいうと
S5の対称群は、S3やS4と同じ形の部分群を含んでいるのだが、これらは可移な部分群ではない。


例えばS3はabcの置き換えのみで構成されており(置き換えはもちろん6通り)


a→aとa→b a→c の置き換えをする元を含むが


a→e の置き換えをする元を含んでいない。 もしガロア群がS3やS4と同じ形をしているなら、そのガロア群に対応する方程式は既約な3次方程式や既約な4次方程式になる。


既約な五次方程式のガロア群はs5の部分群のどれかに

対応しているのだが、部分群にはs3やs4のようなものも含まれている。


ゆえに可移な部分群でないものを既約五次方程式のガロア群を探す際に、考慮しても意味がないので、
サイトによっては、いちいち可解な既約五次方程式に対応するガロア群を探す際は可移部分群を探すと宣言している。