五次方程式の超冪根による解法

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還元不能な三次方程式

還元不能な三次方程式は、必ず複素数を経由


しなければならない証明はガロア理論を理解すれば分かるなどと書いてあるのをネットで見ていて、間違ってはいないと思いました。


何故ならワンツェルの証明(還元不能になる)も体論をかじらないと分からないものであるからです。


但し、ガロア理論は代数的に表示出来るかどうかを問う理論に対して、

ワンツェルの言ってることは実数なのに虚数表示になっちゃうのは仕方ないよねって言う理論なので、代数的に表示出来ない事の意味が全然違う。


志賀浩二著書(方程式が育っていく)の五次方程式の不可解性の証明にも


★既約な五次方程式が代数的に解ける場合は実数解がひとつか5つとも実数解である


の所で、5つとも実数解にも関わらず虚数表示になっています。
これは三次方程式の還元不能の場合と同じく、五次方程式も還元不能な形に解が表示されてしまうのです。
Dummitの論文に確か掲載されている。


体論と群論がガロア理論と言うワードに集約されているのです。


数学科にも角の3等分とかマニアックな事を学んで単位は取れない?ので正確に認知されてないのは当たり前。


ワンツェルの還元不能の証明が載ってる角の3等分(矢野健太郎)です!




体論をかじるには分かりやすい本だと思います。
矢野健太郎と志賀浩二は教師と教え子の関係にあったらしいのは納得ですね。
ガロアの言いたいことの意味を理解するには助走する本としてはうってつけですよ。


と言ってもガロア本は多忙な人には向かない。 
大学の必修科目になっていたりするという事実から帰納的に考えると、平均的な人でも時間を費やすと理解できるはずだが…時間取られるんで。
(ガロア本は良著が少ない。


当時のガロアの考えに基づくガロア群を作ってみる事を避ける本だらけになっていて、
一般の五次方程式は解の公式がないことを示して終わっている。


ガロアの神髄は既約五次方程式でも代数的に表現できる条件を示して、


代数方程式を(ガロア群)でハッキングしたことにある。)


昔の本なのに口語で説明されておられるのはヤバい。分かりやすい。


証明うんぬんよりもまずは意味を分かるようにしないと面白くないです。


シュレディンガー方程式の証明をなんちゃらとかよりもまずは意味が分かる本を手に取ることをおすすめします。


無機質な微分方程式を眺めていたってすぐ飽きてしまいます。

既約五次方程式が可解である条件

まず、ガロアの考えで、


位数120のガロア群、位数60のガロア群、位数20のガロア群に対応する既約五次方程式が存在していると仮定しよう


ガロアの言う可解である条件 


★その1 その方程式に対応するガロア群が素数個ずつ部分群に分裂していくのを繰りかえして、最終的に恒等置換になること


★その2 分裂していく部分群が正規部分群であること


まず位数120のガロア群に対応する既約五次方程式を考えると、


位数120のガロア群は5次の対称群であって、これを分裂して小さくしていく場合、
120=2×2×2×3×5 なので 2 と 3 と 5 で割れることができる


120を2で割ると位数60の交代群になるが、交代群は単純群なので部分群をもたないため分裂ができない


次に3で割ることを考えると、位数40の部分群が存在しないので分裂できない


次に5で割ると位数24の部分群に分裂できる
ここで★条件1をみたしているが、位数24の部分群は正規部分群ではないので★条件2を満たしていないのでダメ


ゆえに位数120のガロア群と対応する五次方程式は可解ではない



位数60のガロア群に対応する既約五次方程式を考えると、
位数60のガロア群は交代群なので部分群に分裂できない 分裂できるとしたら恒等置換になるだけ(60で割れるが素数ではない)
ので★条件1を満たしておらず可解ではない



位数20のガロア群に対応する既約五次方程式を考える
位数20のガロア群はフロベニウス群である。


位数20から位数10の部分群に分裂できる、さらに位数10の部分群から位数5の部分群に分裂できて、最終的に5で割って恒等置換(単位群)になる
20を2で割って、10を2で割って、5を5で割ると1(恒等置換)になる 


2、2,5の素数個ずつに分裂している


なので★条件1を満たす


位数10の群 位数5の群 恒等置換(単位群)はすべて正規部分群であるので★条件2を満たす


よって★条件1と★条件2の両方を満たす位数20のガロア群に対応する既約五次方程式は可解である

共役な群ってなに?

恒等置換 e 以外の元が異なっていて、振る舞いが同じ群を共役な群という。


例えば s3対称群の位数2の部分群【e ,(12) 】と【e,(23)】は 恒等置換以外は元が異なるが振る舞いは同じ。


生成する群も違う。


フロベニウス群には共役な群が自身を含めて6つあるとは、振る舞いが同じで、恒等置換以外の元が異なる部分群が存在している。


わかりやすく考えためにフロベニウス群に含まれる位数5の巡回置換(12345)
を考える


5つの変数を置き換えて(abcde)の表記を作ると、120個の巡回置換が作れる


次に(12345)と(23451)と(34512)と(45123)と(51234)は生成する元が同じなので
120を5で割ると24になる


さらに24個の巡回置換も (12345)と(15432)と(14253)と(13524)は生成する元が同じなので4で割ると


6になる。 つまり120個の巡回置換(abcde)を用意しても、生成する元が同じ
物が20個存在することになる。


フロベニウス群に含まれる位数5の巡回置換は自身を含めて共役な巡回置換が6つあることがわかれば、フロベニウス群と共役な群が6つあることがなんとなくわかる気がする。