五次方程式の超冪根による解法

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可解な五次方程式のガロア群がフロベニウス群だった時

既約5次方程式が位数20のガロア群(フロベニウス群)に対応する場合


その根で構成された


根の有理式 




(Dummitの式)



は有理数となる。




とりあえず
ある既約5次方程式がガロア群(フロベニウス群)に対応する時、その根で構成された有理式θ

位数20のガロア群(フロベニウス群)で不変であり、
有理数になることだけ押さえておけばいいと思います。


ガロア群で不変な根の有理式は有理数になる。 拡大体のスタート地点のグループに所属するはずだから…( ^ω^…


実際は共役な群を考慮しなければいけないらしい(井汲ブログ)


というよりフロベニウス群という言葉自体が単体の群をさしているわけではないっぽい


S5の部分群が位数20の部分群となる取り方が6パターンあってそれらの呼称?で使ってるみたい。


次に、フロベニウス群の中に位数5の巡回置換が含まれているので、フロベニウス群で不変な有理式θは位数5の巡回置換でも不変


よって、ガロア群が位数5の巡回置換に対応する方程式も、根で作られた有理式θは有理数になっている。
つまり、ある代数方程式の根の有理式がフロベニウス群で不変な場合、必ずしも位数20のガロア群に対応しているわけではなくて、位数が5のガロア群に対応しているかもしれない。


しかも位数が同じでも、中身(元)が違う群に対応してしるかもしれない。


振る舞いが同じで、位数も同じ群を共役な群という。



既約で可解な五次方程式は 位数20か位数10か位数5のガロア群いずれかに対応していて、


さらに6つの共役な群に細分化して対応しているので 合計で3×6の 18個の群のうちどれかが、ある既約で可解な5次方程式に対応している。


フロベニウス群で不変であることさえわかれば正確な位数はわからずとも、


六次分解式が有理数解を持つ→つまり6つのθのフロベニウス群のいずれかが不変である


→可解であることがわかるので
ここら辺はスルーしている文献もあります。


とにかく可解か可解でない既約五次方程式の違いはなにか手っ取り早く知りたい人はこの記事へ





当たり前のことであることを実感するために3次方程式や4次方程式のガロア群で不変な根の有利式は必ず有理数となることを計算してみよう。


例えば、ある三次方程式が位数3の交代群(ガロア群)に対応している場合、交代群で不変な有理式
つまり差積は有理数になっている。





代数方程式をポケモンと例えるなら、ガロア群は属性である 火属性とか水属性とか




3次方程式にも火属性や水属性があって、同じ3次方程式でも属性が違う。




5次方程式が代数的に解ける場合とそうでない場合は何が違うのか 一言でいうと属性が違う。
五次方程式のガロア群は120や60や20や10だったりする。
属性が火属性や水属性、土属性とたくさんの属性に分けられてる。




火属性や水属性だったら解けないけど、土属性だったら解けますよということ。
初学者の間違いとして、すべての既約五次方程式は位数120の五次対称群に対応するしていると思っていたりします。
位数120の対称群に対応している既約五次方程式も!あるという事であって、すべてじゃない。


さっきガロア群を属性と放言したが、もっと言うと解の構造の複雑さのレベルを群の位数で
表現している。


既約4次方程式ならば、対応するガロア群がS₄ A₄ Ⅾ₄ Ⅽ₄ Ⅴ₄のいずれかに対応している。


例えば x⁴+8x+12=0は 位数12のA₄に対応していて


解はこんな感じのやべー形になってる



ここで、本当は代数的に表示する事を考える場合、三角関数を使っては
ダメなんですがイメージとしてはこんな複雑な解になってます。


次の例 x⁴+x³+x²+x+1=0 は位数4のⅭ4に対応していて


こんな感じの簡単な形になってます。


既約方程式にはひとつのガロア群が対応していて、位数の数が高いほど複雑な形の解になっている


逆に位数が小さいと超かんたんな形の解になっている。


この事から、五次方程式の解の公式が見つからなくても、ガロア群の位数が小さい既約五次方程式はかんたんな形の解になっているはずなので


代数的に表現できることが予想される。


ゆえに代数的に表現できる既約五次方程式を探すことは


なるべく小さい位数のガロア群に対応する既約五次方程式を探すこととなる。


位数が同じでもその群を構成する元が違う場合もある(上記


さっき既約4次方程式がガロア群c₄に対応するものを考えたが


例えばx⁴-4x+2=0は ガロア群 c₄であり、(1243)の巡回群で生成される群に対応する


次に、
x⁴+x³+x²+x+1=0 はおなじくガロア群c₄に対応しているが、(1243)の巡回群ではなく、(1324)の巡回群で生成される群に対応している。


位数が同じでも、中身が違う可能性がある。 ガロア群が共役な群であるとかフレーズが出てきた場合は
位数が同じでも群の中身が違うんだな! とすぐにイメージしてほしい。






ガロア群(ガロアが名付けた訳では無い)
はガロア群ではなくて群と読んだ方がいいでしょう。
ある一つの代数方程式にはある一つの群が対応している


*というか既約方程式にはたかだか数個の解の形のパターンしかないので、そのパターンを
ガロア群という言葉を用いて分類してるだけに過ぎない。


しかし! 基本的に方程式を解いてみないと対応している一つの群の位数がわからないのである。


だったら意味ないじゃないかと思うかもしれないが、


ここで仮定法的な考え方をする。 もしもある既約五次方程式に対応するガロア群の位数が20以下ならば、


ある既約五次
方程式の根で作られたフロベニウス群で不変な有理式は有理数になる。


ガロア群が5次対称群S5に対応する既約五次方程式ならば、120通りの置き換えで不変な有理式しか有理数にならない。
かつ有理数ならばガロア群(120通りの置き換え)で不変でなくてはならない。


根の有理式がガロア群で不変⇒その有理式は有理数 ポイント1


根の有理式が有理数⇒その有理式はガロア群で不変 ポイント2




もし 方程式のガロア群がs5に対応しているならば
根の有理式が有理数の時、S5の120通りの置き換えで不変である。


最初で出てきた根の有理式θは120通りの置き換えで数値が変化してしまう。ポイント2で引っかかる。


なのでガロア群S5に対応する既約五次方程式の根ではない。


A5も同じように対応していない。


θは有理数であり、フロベニウス群(20通りの置き換え)で不変であるならば


上記のポイント2
の条件を満たすのでガロア群の候補になる。


候補となるガロア群は位数20のフロベニウス群かⅮ10の二面体か、c5の巡回群の三つに絞られる。
ゆえにフロベニウス群(20通りの置き換え)で不変な根の有理式が有理数になる場合、ガロア群の位数は20


以下に絞られる。


こういう風な考え方で、既約五次方程式に対応するガロア群とその方程式の解を手探りで見つけたい。




Dummtの Solving solvable quintic  の論文では
ガロア群が絞れれば
あとはラグランジュの分解式で無理やり解を引っこ抜けますって感じのことを言ってます。


普通に計算する前に、そもそも代数的に表示できる既約五次方程式に絞り、解を引っこ抜いてます。

ラグランジュリゾルベントを使って

クラメルの公式(cramer's rule やヴァンデルモンド(vandermondeという名前の連立方程式を解くことでxが求まる。


ヴァンデルモンドとは


X+X²+X³=10


Y+Y²+Y³=200


Z+Z²+Z³=3600


のような連立式を解くテクニックのことをヴァンデルモンドの行列式という。




いちいち計算しなくても結果が差積になってくれるので,六次分解式をθで割った既約五次方程式(解がθ₂~θ₆)
の差積を計算すればよい。


こんな感じですかね(適当




入門書としては
金重明先生の ガロア 方程式のガロア群









 がわかりやすい。
たいていのガロア入門本はアーベルやアルティンの考えが載っていて、非常にわかりづらいものになっている。
が! 金重明先生の本は当時のガロアが考えていた事だけにフォーカスしているので本当に有難い本で助かった。但しこの本 x³-2=0 とx³-3x²-3x-1=0 のガロア群が位数3と説明しているが、これは間違いである
位数は6のs3




初学者の間違いとして、あるいはなんちゃって数学の先生とかにありがちなのだが




例えばx⁵+a=0 という形 aは0以外の整数 のガロア群は位数20のフロベニウス群になっている。
位数5の巡回群c5ではない。 これと同様に、x^3-2=0 は式が簡単だからガロア群も小さいでしょ
なんて思ってたりする (専門家ではない人がガロア理論の口語訳をしているので、仕方のない部分でもある。


良著の特徴


★なるべく口語で書かれている。


★ガロア群を実際にガロアの方法で求めてみる本である。


★ガロアの原文を主軸にしている。


*個人的には、自己同型写像という言葉を使う現代の形の参考書はお薦めしない。


当時のガロアがやっていたこと(ガロア方程式)を経由して考察する本
が良いと思う。アルティンよりガロア方程式!


ガロアの原文が分かると、アルティンの本(ちくま学芸文庫も何を言っているのかわかる。


当時のガロアの考えを現代風にわかりづらくアレンジしたのがアルティンの考えだと思ってます。


アルティン本の最初の部分はクラメルの公式だとか線形代数学の基礎


2章はべき根拡大は正規部分群に対応してるよねっていう体論で構成されてる。


★既約な五次方程式が可解である条件を言及していなくても見えてくるものがある。



こういう本と井汲ブログを行ったり来たりするとフロベニウス群と可解な五次方程式の6次分解方程式がなんちゃらとか


言ってる意味が分かるようになるでしょう。


六次分解方程式なんて要するにフロベニウス群の共役なガロア群で不変な有理式があるかないか総当りしてるだけ




既約な三次方程式が位数3の交代群A3に対応する場合、すべての解が実数の時である。


あと、志賀浩二先生のクロネッカーの証明はどこから持ってきたのか不思議ですね




西洋のほうが、初学者向けのガロア本に関しては良著が豊富にあるでしょう。
ガロア本に関しては、ようやく日本に浸透してきただけであって、本屋には置いてない。


口語で書かれたガロア本なんて昔はなかったし、出てきたのはつい最近。
こういう環境で、独学で学ぶのは難しいはず。


もっと直感的にわかる本が増えるといいですね。